命と経済の両立(2)

デバイスを用いた感染防止

人の動きを止めることで、感染の拡大を抑制する。

 

確かに、感染拡大の防止には効果的なのですが、経済に与えるダメージは大きく、私達の生活を破壊してしまいます。こうした二律背反的な対策から脱却する方策として、バランスループの位置を変えることを試みました。

 

[人の動き]→[保菌者]と[発症者]→[人の動き]の矢印を取り去り、感染と経済の因果ループを分離しました。これに代わり、(デバイスやサービス)で保菌者を発見し隔離する[保菌者]→[隔離者数]を追加し、新たなバラアンスループB1としました。

こうすることで、人の動きを止めずに、感染拡大の防止が可能となります。

感染が拡大しても、経済は独立して動きますので、経済的ダメージも小さくなります。

 

 

デバイスで「新型コロナに感染したかもしれない人を事前に把握できる」としたら?

経済サイクルの中核となる[人の動き]を止める必要がなくなります。体温や心拍数、血中酸素濃度などはスマートウオッチなどでも手軽に測定できます。直ちに新型コロナに感染していることを意味するものではありませんが、体調に異常が生じていることを直ぐに知ることができます。これらの情報を体系的に集めることが出来れば、感染症が発生しているかもしれない状況を素早く把握できます。そして、感染の疑いがある人を早期に隔離できれば、B1ループで示す様に感染の拡大を防止可能となります。

 

 ここからは想像なのですが、中国や韓国が行動規制を解除した背景には、こうしたデバイスからの情報を国が一元管理できる体勢にあると思います。新型コロナは、感染圧力が残っている限り、一旦収束したかのように見えて、[人の動き]が活発化すると再発するリスクと隣り合わせです。シンガポールや北海道では、感染増加を押さえ込めたと見えたのに、再度感染者の急増が見られることが、そうしたリスクがあることを示しています。シミュレーションでも、行動規制を緩和すれば感染は再発しています。ここでの考え方は、感染者の拡大が再発したとしても、次の再発までに医療機関の受入能力や人工呼吸器の拡充、そうした機器を取り扱う医療従事者の訓練の時間を稼げれば成功だと思います。

 中国でしたら、疑わしき者は強制隔離の様な荒技も可能でしょうし、韓国でも「あなた、ナイトクラブに行きましたよね」的な追跡は可能です。こうした追跡システムの成果を見て、他でも導入する動きがあります。日本のお家芸とも言える、足で稼ぐ疫学的調査に基づくクラスター潰しよりは遙かに効率的です。デバイスを用いて感染を初期段階で押さえ込めれば、それ以上に広がりません。また、まったく未知の感染症にも対応できます。

 

ですが、そうした監視社会は我々の目差す未来なのか!

 

を問いかけたいと思います。

 

海外との人の移動でも、「入国後2週間の待機状態 」を求めたとすると、事実上ビジネスは不可能ですし、観光は絶望的です。イエローカード(予防接種証明書)の様な対応も、ワクチンが開発されていない状況では難しいでしょう。それに変わるのが、デバイスによるクリーン証明です。もしも、VISA申請時に相手国から指定のデバイスの装着を出国数週間前に求められたとしたら? 新たな権益拡大の綱引きが始まることでしょう。

 

民間ベースでも、リアルに面談する時には、お互いにデバイスが解析してクリーン情報を交換しあうのが新たなマナーとして登場するかもしれません。

 

いずれにしろ、世界はコロナ後に向かって動き始めています。

それは、旧来の姿への復帰ではなく、新たな秩序に取って代わられると思います。

 

次の章では、そうした時代の分岐点を考えたいと思います。