命と経済の両立へ向けて(2)

行動制限の問題構造

 命を守るのか? 経済も守るのか? については様々な立場や意見があって唯一の正しい答えはありません。

 

感染症の専門家にしても、初めて出会うウイルスですので、正当な回答はできません。それでも、今までの知識・経験を総動員して手探りで対応しているのが現状です。

 

経済の専門家にしても、ここまで世界の動きが止まってしまった状況は想定外でしょう。

 

これらの問いに応えるには、より本質的な問題構造に着目する必要があります。

その問題構造を図示すると、以下のようになります。

 

 

この図は、システム思考という方法論を用いて記述しています。詳しくは、弊社サイト内の解説ページをご覧いただければと存じます。ここでは、→の向きが因果関係を表すことをご理解いただければ十分です。青の→は、Aが増えればBも増えるという因果関係を表します。赤の→は、Aが増えればBは減少するという因果関係を表します。こうした因果関係の→がループに連なると、Rで示す、事態がどんどん拡大する拡張ループ。Bで示す、事態が収束に向かうBに分けることができます。

 

 上図では、感染の拡大を防止するために、[人の動き]→[保菌者]で、[新規感染者」の増加を抑制しています。ところが、この副作用で[人々の不安心」が増大し、DVや自粛警察排他的な行動が起こります。経済面では[もの動き]が減少し、[金の動き]も減少、さらに[人の動き]が減少するという悪循環に陥ります。収入が減少する中、マスクなどの物不足が発生し、価格が急上昇する現象も発生しました。金融緩和により、市中にお金が供給されるようになりますが、経済が回っていない状況では、お金は行き場を失います。モノが不足し、おカネが過大にある状況はスタグフレーションへのリスクが高まります。

 ですから、何としてでも[人の動き]を止めてはならないのですが、「命か経済か」の二律背反として捕らえると解決の糸口は見つかりません。

 

感染を止めるために、本当に「人の行動」を抑制しなければならないのか?

 

それが、私の問いたい命題です。

 


(次回のテーマ)

 

 外出自粛に伴う自由時間を利用して、オンライン・ハッカソンに参加しました。

テーマは、新型コロナに係わる新規ビジネスなのですが、直近の痛みに係わるものがほとんどで失望しました。リモートワークの負担を軽減するもの、接触汚染を防止するもの等々です。たしかに、ニーズはあるとは思いますが、主流からは外れた傍流です。

川の流れが変わって干上がってしまうようなビジネスに参入してはならないと思います。

 

 私達が根底に置かなくてはならないのは、新型コロナが突きつけた課題の本流がどこにあるかです。多くの知性は、どこに本流があるかを突き止めています。ですが、そこには多数の競争相手がいるレッドオーシャンになるでしょう。

 正直、私達がそこに参入しても勝ち目は少ないと思います。

ですから、主流に連なる支流で、勝てそうなポジションを見つけることにあります。

 

それには、コロナ後に、時代はどう変化するか

 

本流は、どこに流れるかを見極める必要があります。

 

と、言うことで、次回は、感染防止と経済の両立です。